(十三)「丹田」が充実すると余分な力が抜ける

丹田が力強く充実するにつれて、体の他の部分のりきみが取れます。丹田における強度の緊張と、その他の完全なリラックスが一身のうちに同時存在するという、相矛盾するような状態が実現されます。別の表現をすれば、丹田が充実してくると、見たり聞いたりという五感の働きそのものははっきりしながら自我意識が薄らいでくるので、ちょうど自分という体が、五感を備え、丹田を中心とした一個の圧力体のような感じで捉える事が出来ます。この緊張とリラックスの同時存在は全ての人にとって望ましいことでしょう。殊に武道、競技、芸道、技術などに携わる人にとり大きな意味があると考えます。全力を以って丹田に集中するほどに、体の他の部分が筋肉のみでなく、意識、頭脳的働きもリラックスしてくるというのも面白い現象と思います。このときの充実感、すがすがしさはまた格別です。