(九)「丹田の圧はどうかかるのか」

丹田部の圧力は腹腔内全体に、均一にかかっている、とみるべきでしょう。パスカルの原理というのがあります。忘れた人のためにおさらいをすると、閉じ込められた液体の一部に圧力を加えると、その圧力はすべての面に、垂直に同じ強さではたらく、というものでした。人体もほとんど水分ですからこの法則は適用できると思います。ということは、丹田(腹腔内)の圧力は背骨側にも横隔膜にもそして骨盤にも、もちろん腹壁にも同等に働いている、とみるのが自然でしょう。感覚として知覚神経の分布状態の相違などによると考えますが、腹壁によく感じるということだと思います。そして、その圧力の中心が、点として感じるときの丹田なのだと考えます。 機械を動かす場合、電気の力でモーターを回転させ、その回転力を歯車やカム機構などでコントロールすることが多いのですが、別に、油圧、空気圧を直接の動力源とした機械もあります。筋力で体を動かすのは神経系統により筋肉を動かす、いわばモーターの動力で動かすのに似ています。これに対し、丹田の力を元にした体の操作は、油圧、もしくは空気の圧力で機械を動かすのに似ています。